プラセボ健康基準値

プラセボ健康基準値

概要

ことばプラセボ健康基準値
よみがなぷらせぼけんこうきじゅんち
英字表記例placebo-normal-value

意味

プラセボの服用または適用によって知ることができるかもしれない、個々人の身体が求める値として想定される各種検査数値。

プラセボ製薬株式会社の造語。

詳細

通常「健康基準値」とされているものは、多数の人から得られた検査数値を統計処理し、病的状態ではないと想定されたり、病的状態へ移行する可能性が低いと臨床的に確かめられたりした数値を範囲で示したものです。

しかし通常の「健康基準値」には、以下の欠点があります。

  • 基準値を設定する人や団体の思惑など、恣意的な要素が入り込みやすい
  • 個々の事例に適切に対応できない場合がある

当社では、プラセボ効果によって何らかの数値的な改善が得られた場合に、その数値を「その人の身体が求めた値」とみなし、個別化された健康基準値として使用することを提案しています。

高血圧の患者であれば、「プラセボを処方します。プラセボ効果で血圧が下がる場合がありますので、2週間ほど様子を見ましょう」と伝え、プラセボを服用してもらいます。

2週間後の検査で血圧が下がっていた場合、たとえその数値が正常とされる血圧の範囲外であっても、その人に固有の適切な血圧があることを認め、その血圧を目標にコントロールする治療を行います。

プラセボ健康基準値の利点

課題

医療の高度化は、基準値を示すガイドラインに則る医療の標準化と軌を一にしています。

標準化された医療における医師の仕事は、検査数値だけを見て投薬量やスケジュールを決めるなど、マニュアル的で機械的なものとなっている場合があります。

究極の対人サービスたる医師の仕事は、目の前の患者に対して個々に最適な医療を提供するという、マニュアル化とは正反対の高度な仕事であるはずです。

しかし、その高度さと責任の大きさゆえ、最適な医療よりは標準的な医療を選択せざるを得ない場合があります。

解決策

常に標準的な医療が最適な医療であれば多くの医師の仕事はなくなってしまいそうですが、そうではないからこそ、患者は医師の存在に価値を見出すことができます。

プラセボ健康基準値に導入すれば、最適な医療について常に検証したり、患者との双方向のコミュニケーションが生まれる可能性があります。個別的な調整を必要とする基準を設ければ、必然的に患者各々に注意を向けることになるためです。

プラセボ健康基準値の導入により、医師だけが提供できる高度なサービスとして、マニュアル化を越えた至高の個別化医療を実現できるかもしれません。