概要
ことば | ニセ薬 |
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よみがな | にせぐすり |
英字表記例 | imitation drug |
意味
ニセの薬。
表記に基づく解釈
ニセ薬に漢字を当てると「偽薬」となり「偽薬(ぎやく)」と見分けがつかなくなります。しかし、ニセ薬という言葉が意味するところは「偽造薬」である場合が大半です。
偽薬と偽造薬は互いに共通する面もありますが、明確に異なる点も存在しています。偽造薬は、他者の権利を侵害する違法性を含意することばです。
訳語問題
プラセボとは、医療において科学では説明できない効果を引き出しうるすべての事柄を指すことばです。
「Placebo」の訳語として「ニセ薬」や「偽薬」を用いているが故の混乱は、プラセボの有効利用を考える上では百害あれど一利もなしです。
日本国内においては「プラセボ」もしくは「プラシーボ」の語が広く使用され、「偽薬」は説明的に用いられるにとどまっている印象があります。
ただ、プラセボを有効利用を推進する立場からは、ニセということばがもつネガティブな意味の弊害を感じます。
ニセ薬には「似せ薬」の語を当てるのが良いかもしれません。
いずれにせよ、プラセボの意味は似せ薬や偽薬より広くかつポジティブであると考えて間違いはありません。
カタカナ表記の語感
漢字で「偽薬(にせぐすり)」と表記するより「ニセ薬」とカタカナを用いて表現した方が、何となくいかがわしさが増すように思われます。
あえていかがわしさを表現したい場合には、「ニセ薬」と表記するのがよいかもしれません。