TIDieR(介入の説明と再現性のためのテンプレート)

TIDieR

概要

ことばTIDieR
よみがなタイディアー
英字表記例TIDieR

意味

TIDieRは「template for intervention description and replication(介入の説明と再現性のためのテンプレート)」の略。英語の「tidier」には「よりきちんとした」の意味がある。

よりよい介入報告のため、再現性を担保する十分に詳細なチェックリストとガイドが提供されている。

TIDieR利活用の実際

目的

TIDieRの利用から得られる主な利益は、臨床試験が実施された治療方法(介入)を臨床の現場で過不足なく再現できることにある。

介入試験を報告する論文の著者および査読者には、TIDieRの活用が推奨される。

不十分なプラセボ開示に関する懸念

TIDieRに則した情報開示に必要なプラセボに関して、開示が不十分であることが指摘されている。

Webster, RK, Howick, J, Hoffmann, T, et al. Inadequate description of placebo and sham controls in a review of recent trials. Eur J Clin Invest. 2019; 00:e13169. https://doi.org/10.1111/eci.13169

その他のガイドラインとの関係性

TIDieRはCONSORT 2010声明の項目5およびSPIRIT 2013声明の項目11の拡張版。該当項目の日本語版は以下の通り。

なお、TIDieRに関しては2019年10月時点で日本語未翻訳。

CONSORT 2010声明 項目5

介入(Intervention) 5
再現可能となるような詳細な各群の介入。実際にいつどのように実施されたかを含む。

ランダム化比較試験を報告する際に含まれるべき情報のCONSORT 2010チェックリスト

SPIRIT 2013声明 項目11

介入(Intervention)
11a
どのように,いつ実施されるかを含め,再現を可能にする十分に詳細な各群に対する介入。

11b
試験が開始された参加者に対しての中止または割振られた介入の変更基準(たとえば,害に対する薬剤投与量の変更・参加者からの要請・疾患の改善/悪化)。

11c
介入プロトコールの遵守(adherence)を向上させる方策と,遵守をモニタリングするためのすべての手段(たとえば,薬剤の返却,臨床検査)。

11d
試験中に許容されるまたは禁止される,関連する併用治療と介入。

SPIRIT 2013 チェックリスト:臨床試験プロトコールと関連文書に記載されるべき推奨項目

参考

チェックリスト等の詳細は以下のウェブサイトおよび動画を参照のこと。

ウェブサイト

動画